なすびは麻婆なすやピクルス、天ぷらなど、毎日の食事に活躍してくれる食材です。
家庭でも頻繁に活用されますが、余ったなすびを冷凍してみたら、期待外れの結果に終わることも…
味が落ちてしまった理由は一体何でしょうか?
実は、なすの冷凍・解凍の方法次第で、その美味しさが大きく左右されるのです!
この記事では、冷凍なすが不味くなるのを防ぐための重要なヒントをお伝えします。
紹介するテクニックは他の野菜にも応用可能で、時間の節約やコストカットに役立ちます。
冷凍保存を上手に活用して、なすの新鮮さと栄養を保ちながら、美味しく楽しめるよう、活用してみてください。
冷凍茄子の味変わり？最適な保存法で美味しく！
冷凍保存された茄子が美味しくなくなる事を避けるためには、冷凍する前に一手間加えることがおすすめです。
特に、【加熱する】か【自然乾燥】させた後に保存すると、再加熱時になすに適度な水分と旨味が引き出され、美味しく頂けるようになります。
加熱することには多くの利点があります。
加熱によるメリット
・味の吸収が良くなる
・食感が向上する
・料理の深みが増す
・臭みが減る
・調理時間の短縮
・下処理が不要
加熱によるデメリット
・過加熱による食感の損失
・乾燥しやすい
・手間と時間が必要
茄子は加熱すると水分が減り、サイズが小さくなります。
そのため、加熱前に少し大きめに切っておくと良いですね。
加熱した後は、冷凍する前に水分をしっかりと取り除くことが大切です。
こちらでは、茄子のおいしい冷凍方法や便利な保存アイテムについて詳しく解説します。
電子レンジで加熱後の冷凍保存法
電子レンジを使った調理後の冷凍保存は、手軽に茄子のフレッシュな味わいを楽しむ方法です。
茄子の皮には栄養が豊富に含まれており、できるだけ食べたい部分です。
電子レンジで加熱することで、茄子の水分を適切に抜くことができ、皮が硬くなるのを防ぎます。
この方法で解凍すると、皮も含めて全て美味しく頂け、焼き茄子に近いふっくらとした食感と、噛むと溢れる旨味を楽しむことができます♪
【手順】
・茄子をカットする
・耐熱容器に均等に並べ、ラップをする
・電子レンジで加熱する(600Wで約2～3分)
・冷ました後、水分を取り除いてから冷凍保存する
揚げてから冷凍
揚げてから冷凍する手法は、なすの旨味を閉じ込めつつ、濃厚な美味しさを実現させます！
揚げることで外側をカリッとさせ、内部をふんわりと仕上げることができ、形も崩れにくくなります。
外はサクッとして、中はトロリとした二重の食感が魅力の一つ。なすを揚げた後、余分な油をしっかりときって、粗熱を取った後に冷凍保存することが重要です。
油が十分に切れていないと、冷凍されたなすから不快な臭いが発生する恐れがあります。
【手順】
・なすをカットする
・水分を拭き取った後、油で揚げる（170～180℃で薄い金色になるまで）
・油をよく切り、冷ます
・平らに並べて冷凍保存する
天日干ししてから冷凍
天日干し後に冷凍する方法は、多様な料理に適用できるなすの保存法です。
解凍すると、まるで生のなすのように、フレッシュな味わいを保ちつつ、予想外のサクサク感を楽しむことができます。
天日干しした場合は、自然解凍してから水で戻し、使用するのがベストです。
この方法での保存は最大1年間可能で、次の旬のなすが出るまで味わうことができます。
【手順】
・なすをスライスする
・酢水で20分ほど漬けてアクを抜く
・水気をしっかりと取る
・ザルや乾燥ネットに2～3日間かけて天日干しする
・平らに並べて冷凍保存する
冷凍茄子を美味しく保つ秘訣: 水分管理がカギ
冷凍した茄子が美味しくないと感じる主な理由は、解凍時に水分と味わいが流出してしまうことにあります。
だからといって、解凍の方法だけに注意を払っても、水分と旨みの流出を完全に防ぐことは難しいです。
茄子を冷凍しても美味しく楽しむためには、冷凍と解凍の双方で工夫を凝らす必要があります。
ここでは、冷凍茄子が美味しくないとされる原因を解説します。
冷凍茄子の味を落とす犯人、それは「水分」
茄子が水分を豊富に含む野菜であることは、あまり知られていません。
茄子の約93%は水分で、これはトマトと同じくらいの水分量です！
この多量の水分が、冷凍保存の際に味に大きな影響を及ぼします。
特に、解凍後に不味いと感じられる茄子の特徴は以下の通りです。
・水っぽさ
・皮の硬さ
・スカスカとした質感
これらの問題点はすべて、茄子の水分が密接に関係しています。
皮が硬くなるのは、内部の水分が流出し、結果的に皮だけが目立ってしまうためです。
しかし、茄子を冷凍保存する際には、あらかじめ水分を適度に減らすことが重要です！
冷凍すると茄子の内部水分が凍り、その結果組織が壊れます。
解凍時には、壊れた組織から水分が流れ出ることになります（ドリップ現象）。
この水分と旨みの流出、そして壊れた組織の柔らかさが、不味い冷凍茄子を生み出す原因です。
適切に水分を管理して冷凍することで、解凍後も茄子を美味しく楽しむことが可能になります。
ただし、水分を過度に減らすと、乾燥や冷凍焼け、品質の劣化を招くので注意が必要です。
茄子を冷凍する際には加熱解凍が理想！解凍の際の注意点とは？
茄子を冷凍保存しておいても、間違った解凍法を選ぶと、水分が失われてしまう恐れがあります。
【解凍方法の種類】
加熱解凍:
凍った状態から直接加熱し、解凍時間を短縮し組織の損傷を最小限に抑える方法。特に野菜や貝類に推奨されます。
冷蔵庫解凍
冷蔵庫でじっくりと解凍し、組織を守りながら解凍する方法。時間はかかりますが、ほぼ全ての食品に適しています。
氷水解凍
氷水で素早く解凍する方法。熱伝導により速やかに解凍でき、主に肉や魚に適しています。
流水解凍
流水を使用して解凍する方法。室温の影響を受けずに速やかに解凍でき、肉や魚以外の食品に適しています。
常温解凍 (自然解凍)
室温で解凍する方法。組織の損傷が起きやすいが、パンや和菓子など特定の食品に効果的です。
茄子を解凍する際には、水分が保持され、味や食感が損なわれにくい加熱解凍がお勧めです！
不適切な解凍法は、美味しさだけでなく、細菌の増殖のリスクも高めるため、解凍法を選ぶ際には注意が必要です。
加熱解凍で組織ダメージを最小限に
加熱解凍法は、茄子を含む食品が【魔の温度帯】を最速で通過し、組織の損傷や水分、旨味の流出を最小限に抑える方法です。
加熱解凍には、直接火にかける方法と電子レンジを使用する方法があります。
電子レンジは解凍して直接食べる場合に、鍋やフライパンは料理の材料として使用する際に適しています。
水分と旨味の流出の原因【魔の温度帯】とは？
【魔の温度帯】とは、食品が最も氷結晶を生成しやすい温度帯、マイナス1°Cからマイナス5°C、及び、水分やドリップが漏れやすい常温の10°Cから40°Cを指します。
この温度帯を通過する時間が長ければ長いほど、食品へのダメージも大きくなります。
加熱解凍では、これらの温度帯を迅速に通過することで、組織の損傷を抑え、美味しさを保つことができます。
特定の食品には低温でゆっくり解凍する方法が適している場合もありますが、解凍時間の長さには注意しましょう。
まとめ
・茄子は事前の加熱処理や自然乾燥を施すことで、冷凍しても美味しさを保つことができます。
・食品を素早く冷凍することで、品質の劣化を防ぐことが可能です。
・冷凍用の便利なアイテムや冷蔵庫の急速冷凍機能を活用することで、迅速に冷凍保存が行えます。
・茄子を加熱して解凍すると、いわゆる【魔の温度帯】を迅速に通過し、美味しさを向上させることができます。
・茄子の冷凍保存期間は概ね1ヶ月が目安ですが、天日干しによる保存は約1年間可能です。
・茄子が腐敗すると、外見、臭い、味に顕著な変化が現れます。
天候不順、自然災害などによる野菜価格の変動が見られる昨今では、野菜を冷凍保存しておくことは経済的にも有用です。
野菜を冷凍することで、手に入りにくい時期でも美味しく、かつ経済的に野菜を楽しむことができるようになります。
旬の野菜を長期間味わうためにも、冷凍保存のテクニックを活用してみてください。
