上新粉と米粉、この二つの食材の差について詳しくご存じでしょうか?
本記事では、原材料、粒度、カロリーなど様々な面から、上新粉と米粉の主要な違いについて詳しく解説します。
また、これらがどれほど互いに代替可能かについてもお話しします。
上新粉と米粉の違い。原材料は?
グルテンフリー製品への注目が高まるなか、小麦を使用しない上新粉や米粉を含む食品や料理が増えてきました。
しかし、この二つの食材にはどのような違いがあるのでしょうか?この記事では、上新粉と米粉それぞれの特徴と定義を説明し、違いを紹介します。
上新粉:うるち米から作られる特定の米粉
上新粉は、普段食べているうるち米を粉末化したもので、特定の米粉とされています。
一方で、お餅やお赤飯に使われるもち米もありますが、上新粉はうるち米のみから作られ、もち米から作られる製品は別カテゴリーに分類されます。
米粉:米を粉末化した製品全般を指す
米粉は、米を粉末化した全製品の総称です。
そのため、うるち米から作られる上新粉も、もち米から作られる製品も、全て米粉の一部とされています。
市販される米粉製品は、主に製菓や製パン用として販売され、ほとんどがうるち米を原材料としています。
上新粉と米粉の比較
上新粉は他の米粉とどのように異なるのでしょうか?また、市販されている米粉にはどのような特性があるのでしょうか?
本文では、上新粉と一般の米粉の各々の特徴とその違いについて説明します。
原材料と製造過程
上新粉と米粉の製造過程は次のように異なります。
【上新粉】
・米を洗い、乾燥させる。
・ロール製粉法を用いて米を粉砕する。この方法では、ロールの剪断力によって米が粉砕される。
・粉砕した米を篩(ふるい)にかけ、細かい粉が上新粉となる。
【米粉】
・米を洗う。
・胴付き製粉法を用いて、水分を含んだ状態の米を石臼と杵で粉砕する。
上新粉として使用されるのはうるち米のみであり、製菓や製パン用の米粉も同様にうるち米を原材料としています。
製造方法における主な違いは、上新粉は粘りが出やすいロール製粉法で製造され、製粉時間が短いことです。一方、米粉の製造に使われる胴付き製粉法では、より時間をかけて細かく高品質の米粉を製造することが特徴です。
粒度の違い
【上新粉】
・約90メッシュの粒度で、比較的粗い。
・胴付き製粉法で製造された米粉より粗い。
【米粉】
・一般に200~400メッシュの範囲で、より細かい。
・細かい粒度は製菓や製パンに適している。
メッシュは粒度を示す単位で、数値が高いほど細かい粒子を意味します。上新粉はその粗さにより粘りと食感が特徴で、米粉はその細かさから滑らかな口当たりの製菓品やパンが作れます。
使用目的
【上新粉】
・和菓子作りに適しており、餅のような食感が特徴。
・料理のとろみ付けにも用いられる。
【米粉】
・洋菓子やパン作りに小麦粉の代替品として使われることが多い。
・製菓用は非常に細かく、パン用は特定の加工が施されることがある。
上新粉はその粘り強さから、和菓子の材料や料理のとろみ付けに適しています。米粉はその細かさから洋菓子やパン作りに理想的で、小麦粉に比べてもっちりした食感を楽しめます。
栄養成分とカロリー
成分比較(100gあたり):
上新粉:343kcal、炭水化物78.5g、脂質0.9g、たんぱく質6.2g
米粉 :356kcal、炭水化物81.9g、脂質0.7g、たんぱく質6.0g
上新粉と米粉の代用
上新粉と米粉は原材料や成分が似ているため、味や食感に大きな違いなく代用が可能です。しかし、粒度や製造方法の違いにより、食感や仕上がりに差異が出ることがあります。
例えば、米粉で作る団子は軽い食感に、上新粉で作るマフィンは弾力のある仕上がりになります。
上新粉・米粉と他の米粉類の比較
米粉のカテゴリーには上新粉以外にも白玉粉やもち粉がありますが、これらはもち米を原料としており、粘りが特徴です。
白玉粉やもち粉は、大福や団子などの和菓子に用いられ、洋菓子に使うと独特の弾力ある食感を楽しめます。
まとめ
上新粉と米粉は、製造方法や粒度の違いにより、料理や菓子の仕上がりに差をもたらします。
それぞれの特性を理解しておくと、様々な料理や菓子作りに役立ちます。和菓子から洋菓子、パン作りまで、上新粉と米粉は多様な用途で活躍します。